これからの季節、盛りを迎える花には、大柄なものが多くあります。ぼたん、シャクヤク、大ぶりのバラ、蓮、百合といった、ひとつの花で写真の主役をはれる豪華な花々です。
桜、菜の花のようにたくさん群れているのをいかに上手くまとめるか、というのとは全く別のポイントがありますのでご紹介します。
以下、作例の花は、「町田ぼたん園」で撮ったぼたんたちです。「町田ぼたん園」は、ぼたんとシャクヤクで関東最大級の鉢数を誇るのだそうです。4月中旬からゴールデンウィークにかけてが一番の見ごろとされ、毎年多くの人でにぎわっています。2016年は天候状況により、少し早めに盛りが終わってしまったようでした。ぼたんの花は風雨に弱いので、お出かけの前には開花状況ページのチェックをお勧めします。
→町田ぼたん園の開花状況
①花が向いている方向に余白を!
大きな花を撮るときの構図は、人のポートレイト、特に顔がメインのものと同じように考えてください。この写真だと、向かって右を向いている人と同じです。花の向きに沿って見る人の視線が誘導されるので、進む先が詰まっていると息苦しい感じになってしまいます。下の写真も花が向かって右向きなので、右に大きく余白を作りました。
これは詰まった感じをわかってもらうためにわざと花の向きとは逆に余白を作っています。
どうしてもこういう構図になってしまった時は、思い切ってトリミングして、中央に持ってきましょう。
②ピントはシベに! シベが見えない時は一番濃い色の所に!
花のしべ(花芯)は、人間の瞳と同じように、一番目が行く部分です。ここにピントをしっかりと合わせましょう。
しべが隠れていて見えにくい時は、花の内側の一番色が濃い部分にピントを合わせると、違和感がありません。
以上、たった二つのポイントですが、押さえておくと「ステキ!」と褒められる花写真になりますよ。
今回のお花を撮ったレンズはこちらです。鉢が込み合っていて写りすぎてしまうのと、立ち止まってじっくり見ている人が多いので、隙間から望遠200㎜でさっと撮りました。広角レンズだと背景がごちゃごちゃになってしまうので、避けたほうがよさそうです。